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『ビッグ・アイズ』/自分自身を取り戻す戦い。

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本日の映画は『ビッグ・アイズ』

ティム・バートン監督が珍しくファンタジーじゃない現実を描いた作品。

驚くような実話がもとになっています。

一人の女性が自分自身を取り戻すまでのお話でもあります。

Huluにて鑑賞しました。

Huluは月額933円で映画やドラマが見放題になるサービスで、5年以上愛用しています。詳細は公式ページで確認できます。

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『ビッグ・アイズ』

 基本情報

監督:ティム・バートン

出演:エイミー・アダムス/クリストルフ・ヴァルツ

製作:2014年/アメリカ

1960年代。アンディ・ウォーホルにも認められ、世界的に人気を博した『ビッグ・アイズ』という絵がありました。

しかし実は『ビッグ・アイズ』の絵の作者は世間が思っている人物とは別人だった…という、とんでもないスキャンダルを元にした作品。

日本でも耳が聞こえないとされていた作曲家が実はちゃんと聞こえていて、曲を作ったのはゴーストだった、という出来事がありました。ドラマのような現実って、本当にあるんだなぁ…としみじみ。当時は大騒ぎだったことでしょう。

主演は『メッセージ』でも印象深い演技が胸に刺さりました、実力派女優のエイミー・アダムス。第89回アカデミー賞で8部門ノミネートされた傑作SFです。

▼詳細はこちら。

『メッセージ』/彼らが人類に伝えたかったメッセージとは?

当ブログは基本的にすべての作品でネタバレをしていますので、ご注意ください。

ざっとあらすじなど。

横暴な夫の元から娘を連れて逃げ出したマーガレットはシングルマザーとして娘と二人でぎりぎりの生活を送っている。マーガレットは社交的で魅力のあるウォルターという画家の男性に出会い、二人はまもなく結婚することに。

マーガレットの描いた大きな瞳の子供の絵「ビッグ・アイズ」をウォルターは自分の絵と偽って売り込んでゆく。たちまち世界的に人気となってゆく「ビッグ・アイズ」

マーガレットは家にこもりきりで絵を描き続けるが、それを自分のものとして発表することは決して許されない。画家として、自分の愛を込めた作品を他人のものとして発表することは耐え難いことであったが、マーガレットは口のうまいウォルターに言いくるめられ、共犯だと脅され、絵を描き続けるしかなかった。

そんな生活の中、とうとう二人の結婚生活は破たんし、マーガレットは娘とともに家を出てハワイに移住する。移住先で信仰に出会い、生きる支えを見つけたマーガレットはすべてを世間に公表することを決意する。

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マーガレット

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マーガレットを演じているのはエイミー・アダムス。

これまでも何度もアカデミー賞にノミネートされている実力派。(『ザ・ファイター』『ザ・マスター』『アメリカン・ハッスル』など)

2017年アカデミー賞に8部門ノミネートされたドゥニ・ヴィルヌーヴのSF大作『メッセージ』での演技は胸を打ちました。

▼『メッセージ』の詳細な感想はこちら。

『メッセージ』/彼らが人類に伝えたかったメッセージとは?エイミー・アダムス主演のSF大作。

最初の夫も横暴だったというので、モラハラ気質の人間を惹きつけやすいものを持っているのかもしれません。内気で控えめで、相手に強く出られるとつい何も言えなくなってしまう。

心から絵を描くことが好きで、口下手な分、絵を描くことで自分を表現してきた女性です。

ウォルター

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夫のウォルターを演じているのはクリストフ・ヴァルツ。

ブラッド・ピット主演の『イングロリアス・バスターズ』でオスカーを獲得しました。

とても口が上手く、その場その場でいかにも本当のことのようにさらりと嘘をついたり、話を盛ります。まさに「息をするように嘘をつく。」

しかし堂々としているので、つい相手も嘘に引き込まれてしまい「ビッグ・アイズ」は彼の作品だと皆が信じて疑いません。

天性のうそつきで、相手の罪悪感や引け目に感じている部分をうまくつき、自分のいうことを聞かせるように支配してゆく。

「君のためだよ。」

善意のように、相手に思い込ませて、反抗できなくさせてしまう。

全体的にコミカルな雰囲気を漂わせた演技なので、普段は”ちょっと胡散臭い感じはするけれども憎めない男性”という印象です。

けれども突然ブチキレたりもするので、そのギャップが怖いんです…。

怒り狂って物理的な暴力まで振るい始めるところは、命の危険も感じさせました。マーガレットに離婚条件を突きつける時の、一切の情を挟まない冷酷な感じ…。

まさに、憎むべきモラハラ男って感じ(≧ヘ≦) ムゥ

まだまだ男尊女卑の時代でした。

画像4http://eiga.com/movie/80081/gallery/5/

当時の男尊女卑の時代背景も大きく影響しました。

まだ離婚して女性が一人で生活していくことが難しかった時代。女性というだけで、画家として成功することも難しかったのです。

ウォルターの嘘に悩んで教会に相談に行ったマーガレットが言われた言葉。

「家長は男なのだから、夫に従え。」というもの。

ちょっと今では考えられないませんね。男性が間違うこともありますし、女性にも理性も感情もあります。

あくまで表に立つのは男性で、女性は夫に付き従うもの。そういう認識が真相の発覚を阻んでいたように感じます。

マーガレットと出会った頃にウォルターが描いていた平凡な風景画。

それさえも実は他人の絵だったとわかった瞬間。

ウォルターの得体のしれなさに心底、ぞっとしました。

前妻との間に娘がいたことさえも隠してたし。秘密だらけ。

マーガレットの立場ならいったい自分が結婚したのは誰だったのだろう??って思いますよね。

マーガレットの変化

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いつも自信なさげで、はっきりと自己主張ができなかったマーガレットは徐々に強い女性へ変わってゆきます。最初と最後では表情がまるで違いましたね。

母親を応援する娘の姿もよかったなぁ(*^-^)ニコ

ウォルターは自分で自分を弁護、参考にしたのはテレビドラマ。

終盤、二人が対決する裁判で、ウォルターは自分で自分の弁護をすることになるけど、そのお手本がすごいんだ。

彼にはテレビドラマ『ペリー・メイスン』で得た知識しかなく、ドラマを参考に弁護をするのです…。

▼これが『ペリー・メイスン』


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もちろんまともな弁護などできるはずはなく、ただ大げさな身振りと手振りで中身を伴わない弁論を重ねるだけで、裁判官も陪審員も呆れ顔。

ウォルターは「自分自身」がどこにもなくて、ただ真似したり嘘をつくことで人生を渡ってきた人なんだなぁ。

もしかしたら、最初は本気で画家になりたくて、でも才能がなくて、ちょっと見栄を張ってしまった・・。そんな感じで始まったことなのかもしれないけれど。

ひとつ嘘をついたら、ひたすら嘘を重ねるしかなくて、嘘の塊みたいになってしまう。中身はうつろ。

かつて存在したかもしれない「本当のウォルター」は消えてしまい、得体のしれない不気味な「何者か」になってしまった。

 自分自身を取り戻したマーガレット。ご本人は今。

裁判に勝利したマーガレットはいつも夫のサインがされていた「ビッグアイズ」に初めて自分のサインと堂々と入れることができます。誇らしいその表情がとても素敵でした^^

最後のナレーションがとてもいいんです!!マーガレット本人が登場、後日談が紹介されます。

ウォルターは2000年に無一文で死去、マーガレットご本人はご存命で、再婚して今でも絵を描き続けていることが紹介されます。

マーガレットご本人とエイミー・アダムスとの2ショットの写真が公開されるのですが、幸せそうな笑顔が可愛らしいおばあちゃんでした。その笑顔が素敵すぎて、なんだか涙が…。

自分が生み出した作品と自分の人生をを取り戻せてよかった!!

▼実話を元にしたおすすめ映画のまとめです。あわせてどうぞ。

【伝記映画傑作選】ドラマチックな生涯を生きた人々の実話に基づく映画。実在の人物の生涯を描いたおすすめ作品。

【実話を元にした映画】嘘みたいな本当のお話!ヒューマンドラマ、実際に起きた犯罪を元にした作品など、真実の物語。 

その他キャストについて。

エイミー・アダムスは好きな女優さんです。『魔法にかけられて』面白かったなぁ。もう40代なんですね!どこか少女のような純粋さを感じさせる女優さんだと思います。

▼大好きな作品。おとぎ話の主人公が現代のアメリカの大都会に!


魔法にかけられて (字幕版)

『魔法にかけられて』の詳細なかんそうはこちらをどうぞ。

『魔法にかけられて』/おとぎの国から現代ニューヨークへ。究極のカルチャーショック!

脇を固める役者さんも個性的な面々、特にテレンス・スタンプは印象深かったですね!

マーガレットの友人を演じた女優さん、見たことあると思ったらマーベルコミック原作のドラマ『ジェシカ・ジョーンズ』のジェシカ。まつ毛が長くてかわいらしい人ですよね。

芸術評論家を演じた、テレンス・スタンプも登場シーンは少ないですが、印象深い役どころです。キレたウォルターの攻撃をさらっと寸止めするあたり、タダものではない感じ(笑)

ジョーン・クロフォードのファンにも嬉しいことが!

「ビッグ・アイズ」は著名人にもファンが多かったので、ファンの一人として当時の大女優であるジョーン・クロフォードがちらっと登場するシーンがあります。

本人にとても似せてあって、クロフォードの代表作である『ジェーンに何が起こったか』が大好きな私にはちょっと嬉しかったです。

▼ベディ・デイヴィスの演技はトラウマ級の恐ろしさ!


何がジェーンに起ったか? [DVD]

以上、『ビッグ・アイズ』の感想でした♪

by カエレバ

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