真田丸

『真田丸』第35話「犬伏」/真田は常にひとつ。もう小童じゃない信幸の考えついた策。

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いよいよ上杉討伐に会津に向かうため大阪を出た徳川家康。その機に乗じて挙兵を企てる三成。いよいよ、大戦が始まろうとしている。

『真田丸』第35話感想

会津討伐へ。

会津討伐への出発を前にした、大阪の真田屋敷。

真田と上杉はかねてから深い仲であり、真田は上杉につくと決めたことを皆に話す。

「裏切るのではない。表返るのじゃ。」と昌幸。

大阪には徳川の兵も数多くいるので、真田が上杉についたとなれば、皆に害が及ぶかもしれない。戦が始まりそうになったら大阪を脱出して上田に逃げてくるようにと指示を出す。

稲は父、本多忠勝から書状が届いたことを昌幸に明かす。

「徳川は真田を信じていない。されど私は真田伊豆守の妻。こちらの様子を徳川に伝えるようなことはしません。」

きっぱりと言い切る稲。あんなにファザコンだった稲も随分と変わりました。

その稲の様子を嬉しそうに見ている、おこうさんの笑顔も印象的でした。

父に真田の情勢を密書で伝えようとした稲を、身を挺して止めたこともありましたからね^^

ちなみに春もこの時に昌幸から父である大谷刑部には何も話すな、と言われるのですが、後で全部話してしまいます…。

そして、春ときりのバトル?も勃発^^;

「皆を頼む」と信繁に言われたきりを見て、思いっきり対抗心を燃やしたかのように、「私にお任せください。」と薫に抱きついていました^^;

前回、春の面倒くさい理由を知ってしまいましたので、その様子を見る信繁の表情も微妙でした。

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石田三成と大谷刑部

会津討伐に加わるため、美濃に入った大谷刑部の元を、石田三成が訪ねてくる。

「われらに同心願いたい。」という三成に対し、

「勝てると思うのか。」と問う刑部。

「わかりませぬ。しかしやらねばならぬのです。今倒さねば、豊臣の世は終わります。」

これが最後のチャンスだと、強く決心を固め、しかしどこか悲壮感を感じさせるような三成の言葉を聞いて、考え込むような表情を見せる刑部。

即答しない刑部の様子を見る三成は、少し不安そうにも見えました。

その夜。

刑部の病はその体を蝕み、表情も息遣いも苦しそうで、一人では茶碗を持つことも困難なほどに弱りつつあった。

しかし、刑部は

「儂は、あの男が来るのを待っていたのかもしれんな。」

と、独り言を言うと、三成を呼んだ。

刑部の決心が固まったのだ。

「勝てるかどうかわからぬと申したな。そのような男に命を預けるわけにはいかない。」

断られたのだと思ったのか、三成の表情は硬い。しかし、刑部は言葉を続ける。

「ともに死ぬなどまっぴらごめんだ。そのような弱気な言葉、二度と口にするな。兵をあげるなら必ず勝つ!その気合なくしてどうする。」

話を聞いているうちに目を赤くし、涙がみるみる溜まってゆく三成。

「治部殿、泣いている暇はござらん。儂がお主を勝たせてみせる!」

断られ、断られ、時には干し柿を投げつけられたこともありました。

最後の頼みの綱だと思った刑部にも、断られた過去があります。どれほど嬉しかったか、どれほど友のことを頼もしく思ったか。

三成同様に、目に涙を溜めずにはいられないシーンでした。

そしていよいよ、石田三成と大谷刑部の軍勢が大阪に入り、諸大名たちの妻子を人質にとって、徳川家康を弾劾する書状を各方面に送り付けます。

宇喜多秀家小早川秀秋伏見城を攻めることになりますが、やる気満々の秀家に対して、心もとない表情の秀秋が、この先に待っている避けようもない悲劇を思い起こさせます。

秀秋が「戦の采配など勘弁してほしい」と愚痴っている相手は板部岡江雪斎

江雪斎は自らが徳川から送り込まれた間者であることを明かす。

明かしちゃうんですね!!

それを明かしたところで、秀秋は自分をどうすることもしないだろう。十分に秀秋はこちらに取り込めると見越してのこと。戦は始まる前に、もうこの時点で勝敗は決していたんだな…。

そして細川家では…。

細川忠興の妻である玉は人質にされそうになったら、屋敷に火を放って、自害せよ、と夫の命令されていました。しかし、玉はキリシタン。自害はすることはできません。

それゆえに、家臣に槍で胸を突いてもらうことによって、目的を達しました。

炎が上がっているのを見て、細川屋敷に駆けつけたきり必死に助けようとしました。

玉の、陶酔したような笑みを浮かべた表情は、なんだかぞっとさせるような美しさがありました。

夫のために、命を捨てる。

当時の女性にとっては、悲しいことではなくむしろ名誉ある死だったんでしょうか…。

玉が死んだことを知り、三成はまたおなかが痛くなります…。人質が死ねば、人心が離れ徳川方につく大名も出てくるしょうし、三成は誰も死なせたくなかった様子でした。

再び、三成と刑部の名シーン。

私は戦場で存分に戦うことはできない。儂はこれで戦う。と筆を取る刑部。

まだどちらにつくか態度を明らかにしていない各地の大名たちに、魂を込めて書状を書こうというのです。

しかし、体は思うように動いてはくれない。

そこで三成が代筆を務め、刑部魂を込められた書状を次々にしたためてゆきました。

夜が明けるまで、一晩中書き続け、ようやくすべての書状を書き終え、満足げな表情を見せる刑部と、額に汗を浮かべた三成。

魂を込めて文を書き続けた刑部は疲労困憊で倒れ込み、三成はそれを抱きかかえて支えるのでした。

男同士の、深く熱い友情のシーンでした。また涙が(泣)

さて、どうするべきか?

徳川秀忠が江戸を出発した日、宇喜多と小早川が挙兵し、いよいよ天下分け目の大戦の幕が切って落とされました。

徳川家康も江戸を出発した頃、昌幸たちは犬伏にいました。

そこで、いつ上杉方に寝返るのか、タイミングについて相談していた、その時。

佐助から書状が届けられます。

それは、石田三成が挙兵したとの知らせでした。

「早すぎるわ!!」書状をぐちゃぐちゃに丸めて投げ捨てる昌幸。

昌幸は徳川と上杉の戦が始まったらすぐ徳川家康の首を取ろうと考えていた。

その後に石田三成が挙兵していれば、難なく江戸に攻め込むことができたはずでした。

しかし、挙兵のタイミングが早すぎたために、この先の見通しが立たなくなってしまった。

果たして徳川はどうでるのか。

このまま上杉と戦うのか。江戸に戻るのか。それとも西に向かうのか。

この先、事態がどう動くのか、自分はどう動くべきか。

頭を全力で働かせているのであろう、難しい顔で考え込む昌幸の姿があった。

昌幸と信繁と信幸は、3人で話し合いをすることに。

昌幸の考えは次のようなものだった。

この戦は下手をしたら10年続くかもしれない。だから上田で籠城すべきだ、と。

真田は徳川にも豊臣にもつかない。上田に攻めてきた方が敵とする。

世が乱れ、各地で戦が起こり、兵たちが疲れてきた時を見計らって、一気に甲斐と信濃を手に入れる。

信繁は兄を見るが、兄は何も言わず、考え込んでいる。

信繁は言う。

合戦のあり方は大きく変わった。大きな力がひとつの場所に集まって、ぶつかり、一気に方がつくようになった。

勝った方が覇者であり、どちらにもつかなければどちらからも敵とみなされ、いずれが買っても真田の場所はなくなると。

その時はその時で、考えればよいという昌幸に対して、信繁は強い口調で言った。

「夢物語はいい加減にしてください!」

「徳川か豊臣か、どちらかにかけて生き残るしかありません。」

果たして、徳川につくべきか、それとも豊臣か…。

難しい決断を迫られることになります。

くじ引きを出して決めようとする父。(第2話でもありましたね^^;)

しかし、ここで信幸が、誰も考えつかなかった妙案を出してきます。

「決めました、決めました、私は決めた―!」(三連発!)

信繁にお前と父上は豊臣につけ。

そして自分は徳川に残る、と。

それによって、いずれが勝っても真田は残る、と信幸は考えたのだ。

われらは敵味方に別れて戦うのではない。

豊臣が勝てば、信繁はあらゆる手を使って、自分を助けよ、と。

そして徳川が勝てば、自分はどんな手を使っても信繁と父を助けてみせる、と。

信幸はこう言うのだった。

これはいつか、自分たち親子三人がいつの日かまた、膝を突き合わせて語り合うための策。

例え徳川と豊臣に別れても、常に真田はひとつ。

自分が思いつきもしなかった策を出した兄を、目を見開いて見つめる信繁。

昌幸は心から感心した表情で、絞り出すような声で言った。

「良き策じゃ。」

語り合う兄弟。

縁側で夜空を見上げながら、信繁と信幸が語り合っている。

「兄上には迷惑をかけっぱなしです。」という信繁に対し、

「俺は元々徳川に近い。俺にしかできぬことだ。」と返します。

「迷惑かけっぱなし。」

信繁のこの言葉の意味。

この時点では豊臣が優勢と見ていたからなのかな。

石田三成は秀頼公を奉じ、すでに大阪を抑えている。信幸が「秘策」を出すまでは、豊臣方につく方向に話が進んでいるようでした。

それに心情的にも秀吉、三成の元で働いてきた信繁は豊臣方に寄っていたことでしょう。

昌幸のくじも両方が「朱」でした。

「朱は豊臣。」

昌幸も豊臣につきたいと考えていたに違いありません。

そういうすべてのことを見通しての「俺は徳川につく。」だったのかも。

一切そういうことは口にすることない兄の想いの深さに驚かされるばかりです。

黙れ、小童!」と言われていたことが嘘みたいな。

顔をくしゃくしゃにして泣いている弟の肩をたたき、笑って見せて慰める兄。

その兄の頬にも涙の筋があるのだけれど、弟には泣きたいように泣かせて、自分は兄として堂々と振る舞おうと心がけているのが存分に伝わってくる。

なんといい兄弟だろう。

官位のことで、拗ねていたのが嘘みたい。聡くて要領のよい弟に対して胸の奥で抱いてきたであろうコンプレックス、父にも認められない悔しさ、人に蚊帳の外に置かれているような寂しさ。そんなものは、彼はとうに克服していた。

二人はばば様の言葉を思い出していた。

「人はみなさだめを持って生まれてくる。」と。今がまさに、その時なのだと。

一方、一人で酒を飲む昌幸の満足げな表情もまた、印象的でした。

二人の息子が立派に育ったことへの満足感。

状況を冷静に見極め、時に口調を強めて反対意見をした息子。

自分でも思いつかないような策を思いついた息子。

どちらの息子も誇らしかったに違いない。

男親にとって、息子が自分を超えてゆくのは、きっと堪らなく嬉しくて誇らしいことなのだろう。

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3人の宴。

別れは明日に迫り、三人での最後の宴。

史記」の「韓信」について語り、「韓信は父上に似ている。」と語る信幸。

韓信より自分が上だと得意げに言う昌幸。

三人で語らいながら飲む、楽しくおいしい酒。

それはとても豊かな時間で、時間が過ぎるのが惜しく感じているに違いなかった。

なんだか、信幸に圧倒された。

兄はやはり兄なんだなぁと。最初の頃はちょっと頼りなげだったから。

三成と刑部の友情といい、見どころたくさんの回でした。

その他気になったこと。

片桐且元と桃の木。

石田三成が秀頼に送った桃の木を大切に育てている且元。

いずれ実を結ぶだろうと、そう言った「実」とは、すなわち石田三成の計画が成功し、徳川から豊臣の天下を守るということ。

それを心から願っている且元の気持ちが伝わってきて、いいシーンでした。

秀忠と江

『江~姫たちの戦国~』では主人公だった徳川秀忠の妻、江が登場しました。

織田信長の妹、市と浅井長政の間に生まれた3姉妹の末っ子で、茶々の妹にあたります。

あのドラマ、ファンタジー大河と揶揄されたりもしていましたが、たまたま再放送を観て興味を持ち、そこから欠かさず観ていました。

3姉妹を演じている女優さんも全員可愛くて、秀忠は向井理さんが演じていてかっこよかった、なんていうミーハーな理由でしたが。

それまで大河ドラマをほぼ観てなかった私が、大河ドラマに興味を持ったきっかけのひとつということで、とても思い入れの深いドラマです。

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