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真田丸 第28話『受難』/秀次の見せた、最後の笑顔に涙。

前回では、関白秀次が拾の誕生によって追い込まれてゆく様子が描かれていました。秀吉は決して秀次を疎んじておらず、むしろ気遣ってさえいるのですが、悲しいことにそれらの気遣いは秀次には逆効果となり、とうとう関白の座を投げ出すように出奔してしまうのです。

前回の記事>>真田丸27話『不信』/想いがすれ違ってゆきます。

そして今回はいよいよ、秀次が切腹することになります。

これは変えようのない史実。秀次の死は避けられないことでありますが、「その時」が来てしまいました。

「死んでほしくない。」と、そう思わせてくれるほど、三谷さんの描いた秀次像、新納さんの演じた秀次が素晴らしかった、ということですね。

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『真田丸』第28話感想

 大谷吉継に病の影が…。

秀次が出奔したことを知った信繁は、できるだけ穏便に問題を解決しようとします。そして大谷吉継のもとにこの事実を知らせに行きますが…。吉継には病の影が忍び寄っていました。あぁぁぁ、やはり利休のたたりが来ましたかねぇ…。史実だから仕方のないことなのですが、これもまた、残酷な現実…。そして関ヶ原まであと5年…。

ここで吉継の娘、春と再会。春はどうやら信繁にちょっと気がある?みたいな表情も見せました。この後、秀吉から春を妻とするように勧められることになります。

 おこうさんと稲。

で、なんだかんだとありまして。聚楽第に帰りたくないと言い張る秀次を真田の屋敷にとりあえず匿うことに…。そして秀次との会話の中で、どうも今まで公家の出身を自称していた信繁の母、薫の出自が怪しいことが発覚。薫は自身を菊亭晴季(きくていはるすえ)の娘だと言っていたのですが、なーんと、秀次の妻が正真正銘、菊亭晴季の娘だったのですね。すると、薫はその姉…?にしては年を取りすぎている…。

ちょっと調べてみたところによると、この菊亭晴季という人は公家の中でもかなりいい家の人らしく、真田家とは格が違いすぎるので、その娘を昌幸に嫁がせるということは考えにくいらしく…。

あの「ヤバイ!」という薫の表情からすると、やはり嘘だったみたいですね^^;

ビミョウな空気が流れるなか、その空気を読めない信幸の様子もおかしかったです。

で、薫の出自が嘘らしいことを知った稲は文を書き、そのことを父に知らせようとしますが…。

それを阻止するのがおこうさん。前回同様、大活躍。稲はおこうさんが信幸の前妻であることは知っており、それを指摘して見せますが、動揺もせずに、自分は「真田を守る」と言い切ります。

お茶碗も持つのも、ご飯を盛るのも力が出せなかったおこうさんが(T_T)本来であれば、稲が来なければ自分が大名の奥方だったのに。その立場を追われても、恨みもせずに真田と元夫のために尽くす。いつも元気がなかったおこうさんの、凛々しくてすがすがしいシーンでした。

 勝手に高野山へ。

出来る限り内々に物事を解決しようと奔走する信繁のもとへ、秀吉からの呼び出しが。秀吉からお咎めがあるのではと思った秀次はなんと、勝手に高野山に行ってしまうのです…。

秀吉から呼ばれたのは、信繁に妻をめとるように、という話があったからで、決して秀次や信繁を咎めるためではなかったのです。

この時点で三成、そして秀吉にも秀次の出奔は耳に入っていますが、秀吉は「儂が説教をしてやる!」くらいで、秀次が思うような深刻な事態ではないのですよね。信繁、秀吉、三成で話がまとまり、この時点で秀次が秀吉のもとに赴いて、秀吉から説教を食らえば、それで丸く収まったというのに…。三成が真田家へ秀次を迎えに行った時には、もうそこにはいないんです…。

 秀次と信幸。

高野山に向かった秀次に付き添っている信幸との会話がとても印象的でした。

自分はおじに振り回されたきたと語る秀次に、自分もそうだと語る信幸。

「偉大すぎる父。

なぜか私の声だけ聞こえぬ祖母。

病がちなのかどうかよくわからない最初の妻

決して心を開かぬ二番目の妻

あまりに恐ろしい舅。」

確かに!信幸は完全に振り回されキャラ。このセリフは笑えるのですが、秀次と信幸の間に「何か」が生まれたシーンでした。秀次はとても相変わらずの穏やかな笑みを浮かべながら、「官位を返上しないように。それは関白として成し遂げた数少ないことだから。」と言うのです。

誠実で真面目で、それゆえに個性の強い周りの人物に振り回されがちな信幸の中に、自分に似た何かを観たのでしょうかね。もしも、信幸のように、腹を割って話ができて、信頼できるものがそばにいたら、こんな悲劇は起きなかったのかもしれない。

そう思うと、すでにこの時点ですでに涙が出そうに…。

 秀次の最期

最後まで、秀吉は秀次を許すつもりでした。

高野山に勝手に言ってしまった時も、謀反の疑いで幽閉したことにして、少し謹慎させてもとに戻すつもりでした。秀次を死なせるつもりなどなかった。

しかし、秀次には最後までその思いが通じなかったのです。

迎えに来たのは福島正則。秀吉には、兄弟同然に育った一族のものを迎えにやったのは気遣いだったに違いありません。しかし、秀次は油断させて、捉えるつもりだと考えました。

そして信幸に頼みごとをして席を外させたわずかな時間に、自ら切腹して果てました。

目に涙をいっぱいにためながら、それでも最後に笑った秀次の表情が強烈に印象に残ります。

泣き出しそうな笑い。

「もういいんだ。お前はよく頑張った。これで終わりだ。」

自分に言い聞かせているようにも見えました。

信幸を押しのけて、一番に秀次に走り寄った福島正則

対面の直前に彼が口にした言葉、たった一言が強く心に迫り、じんわりと涙が…。

「孫七郎はよく関白やってたよ。」

その言葉が秀次本人に伝わっていればなぁ…。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン

 秀吉の怒りと哀しみと狂気

秀次の切腹を知った秀吉は激怒。その首を三条河原に晒し、その妻たちや子供、侍女までも連座させてしまう…。秀吉にしてみたら、今まで目をかけてきて、今回の件も公にはせずに最小限に留めて丸く収めるつもりだったのですよね。その気遣いも理解せずに勝手に死んでしまい、裏切られたような思いだったのでしょうが、あまりにひどいですよね…。先に書いた菊亭晴季も、流罪にされてしまったそうです。

京都の瑞泉寺に秀次とその一族の供養塔があります。歩いていたらたまたま見つけて私も手を合わせたことがあります。

自らがさせたことなのに、秀次を思って号泣している秀吉。感情の揺れ幅が非常に大きいのが、「真田丸」の秀吉の特徴かも。無邪気に笑っているかと思えば、激怒して逆上し、その怒りのままに残酷な命令も下してしまう。その命令に従うしかない三成も辛いですね…。

 たか

ただ、一人、聚楽第の隠し部屋に潜んで難を逃れていた、秀次の娘たか。さすが真田屋敷で育った信繁は目ざといなぁ。

で、そのたかの命を救うために、信繁がしたこととは…。

春を正室に迎え、たかは側室に迎えること。

そのことを秀吉に報告し、たかが秀次の娘だと打ち明け、その事実を知った上で、秀吉はそれを許します。男子が生まれでも仏門に入れれば殺さないことを約束して。秀吉の目からは涙が伝いました。目をかけてきた大事な甥が死んでしまった悲しみと、怒りのままに自分が行った惨い行いを悔いる感情があったのかなぁって思いました。

そして信繁は、いつ秀吉の気が変わるかもわからないことから、納屋助左衛門という人物にたかを託します。松本幸四郎さん演じる納屋助左衛門は大河ドラマ黄金の日日」の主人公だったそうです。私は観ていないのですが、三谷さんはこのドラマを観て、劇作家になりたいと思ったそうで、三谷さんたっての希望で実現した今回のシーンだったようです。

で、たかはその納屋助左衛門に託されて、ルソンへと旅立って行きました。

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 まとめ

やはり、何と言っても秀次が最後に見せた笑顔が印象的でした。信繁も言っていましたが、決して愚かな人物ではなかったのですよね。沼田評定や、信幸&信繁の官位を巡るシーンでも、聡明さを見せていました。もしも拾が生まれなければ、秀吉ほどの豊かな才気には恵まれなくても、持ち前の真面目さ発揮してよい関白になったのではないかなと思います。

真面目すぎて、そしてちょっと気が弱かった。関白ではなくて、サポート的な立場でいられたら、こんなことにはならなかったのかな。

追い詰められた人間には、他人の声が聞こえなくなっちゃうんだなぁって。これは現代の人間にも通じるものがありますよね。そんなに気にしなくてもいいことまでも大きくとらえすぎたり、世界中が敵のように思えたり。自分で自分を追い込んでしまう…。仕事でものすごく煮詰まっていた時、そんな気持ちになったことがありました。あとから考えてみたら、周りも評価してくれてたり、サポートしようとしてくれてたりしていたのだと思いますが、当時は全然わからなかったんですよねぇ。

茶々が拾のことを「関白殿下。」と呼んでいるシーン、それをたまたま聞いてしまうシ秀次。茶々には全然悪気も、深い意味もなくそう呼んでいるだけなのですが、秀次にはそれさえも恐ろしいことのように感じてしまったりするんですよね…。

中々難しいけれど、どこかで立ち止まって、ゆっくり周りを観ることも必要かも。

今回はとても悲しいシーンでありましたが、次回はいよいよ秀吉に死の影が忍び寄ってきます。ここから先は次々に悲しい別れがやってきますね…。

関ヶ原まであと5年。

今回、連座させられた側室の中には、関ヶ原で東軍に付くことになる大名の姫も含まれていたとか…。「因果応報」って言葉が浮かんできます。

そうそう、悲しいのはきりちゃん。

ずっとそばにいて想いを寄せていたのに、後から現れた娘にさらわれてしまうんですね、しかも一気に二人。報われないなぁ。

次の記事>>『真田丸』第29話「異変」どんな人も老いてゆく。天下人秀吉にも衰えが見えてきた。

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