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『西の魔女が死んだ』梨木香歩著 何度読んでも号泣してしまう、優しいおばあちゃんのお話。

何度読んでも泣いてしまう1冊。

『西の魔女が死んだ』

 あらすじ

中学校に進学してまもなく、登校拒否になってしまった少女、まいはイギリス人で日本人のおじいちゃんと結婚したおばあちゃんの元で一月あまりを暮らす。

実は自分は魔女の家系であると知り、西の魔女ことおばあちゃんから魔女修行を受けることになる。

繰り返し読んで、そのたびに泣いています。

何度読んでもラストシーンで胸が熱くなる。

最初に読んだ時、うっかり通勤電車内で読んでしまいました。

座席に座って読んでいたら予想を越えたラストシーンに涙が溢れ、慌てて座席を立ち、乗降口の方に避難。ずっと外を向いて泣いていました。

サラリーマンにちらちら見られながら。

あれでは、会社でやらかしたちゃったか、フラれた直後の女性にしか見えなかっただろうな(苦笑)

「違うんです!私、フラれたとかじゃないから。悪いのはおばあちゃんだから!」と心の中で言い訳しつつ、ぼろぼろ泣きました。

 優しくて素敵なおばあちゃんが登場します。ラストシーンはもう反則。

あのラストのおばあちゃんには本当にやられました。

あれがなかったら「いいお話だったなぁ」って終わるのに、あのシーンがあったおかげで、電車内で人目があるのにこらえきれずに泣いてしまうんだもんなぁ。

そのくらい素適な、やさしいおばあちゃんでした。

森の中のおばあちゃんのおうち。

洗い立ての、お日様のにおいのする真っ白なシーツ。

摘み取ったばかりの野いちごで作った透き通ったジャム、

産みたての卵、庭で積んだハーブで入れたハーブティー。

洗濯機も掃除機もない生活。

自然の中で生き、自然のリズムと恵みを大事に生きるおばあちゃん。

いわゆるスローライフというものです。

穏やかでゆったりとした毎日。

読んでいるだけで癒される想いです。

初めて読んだときは、実際にこういう生活をするのはまだ私は若すぎて難しいと思うし、そんな暮らしに反発するおばあちゃんの娘、つまりまいのママの気持ちもわかる…。

そう思ったけれど。

今は、あの頃よりもこういう生活に惹かれている、年齢を重ねた私がいます。

おばあちゃんの魔女修行。

それは意志の力を身につけること。

つまり自分で決める、ということ。

まいは夜更かしを止め、自分の決めた時間に早起きをして毎日散歩に出かけ、午後は自分の決めた勉強をする。

自分の感じること、喜び、幸せ。

何もかもを自分で決める。

でも自分の直観に振り回されてはいけない。

魔女は直観を大事にしなければなりません。でも、その直観に取り付かれてはなりません。そうなると、それはも、激しい思い込み、妄想となって、その人自身を支配してしまうのです。直観は直観として心のどこかにしまっておきなさい。

この本を読んでいるとまいと一緒に私も魔女修行を受けている感じがして。

とても勉強になりました。

自分で感じたことも大事だけど、それだけでもダメなんだよね。

私はまだまだ未熟だから、何もかも自分で決められると思うのも傲慢なんだろうなって思った。

だからしっかりアンテナを張って、色んな情報を受け取って、それらをしっかり受け止められる健全な心を保つことが大事。

そのためにも自分の生活を見つめなおし、健康的な生活を送らなきゃならない。

ついつい、毎日時間に追われると、心が荒んできちゃうから。そうして余裕を無くしてしまった心は、正しくものを見られなくなって、思い込みや妄想に支配されて、自分や他人を傷つけてしまうのかもしれない。

気をつけなければなりません。

「おばあちゃん、大好き」

「アイ、ノウ」

このやりとりも本当に大好き。

私もかなりのおばあちゃん子なので、自分の祖母を思い出しちゃいました。

88歳になっても元気な祖母ですが、普段は遠方に住んでおり、会えるのは年に数回。

あと、何回会えるんだろう?

考えるととても切ない気持ちになります。

 この本にまつわるエピソード

そうそう、この本にまつわる、忘れられないエピソードがあるんです。

私がこの本を読んで、電車の中で泣いた日からしばらく経ったころ。

バスの中で、この本を読んでいる若い女性に遭遇しました。

薄いグリーンの文庫本。

私はすぐに彼女が盛っている本が『西の魔女が死んだ』だと気づきました。

彼女のめくるページは終盤に差し掛かっており、気になってちょっと覗き込んだところ、おばあちゃんの、「あのシーン」がもうすぐ!というところ。

私は彼女がどんな反応をするのか見てみたく、そっと観察していました。

あのシーンに差し掛かった時、はっとしたように彼女の動きが止まりました。

何かをこらえるようにきゅっと唇と噛み締め、しばらくそのまま固まっていた彼女の瞳から、ぽろぽろと涙が零れ落ちました。

そして、本をさっと閉じると、顔を窓の方に向けて、外を見ているふりをしてずっと泣いていました。

バスが目的地に着くまで。ずっと。

私とおんなじ反応でした。

私にとってこの本が忘れられない1冊となったように、彼女にとってもきっと忘れられない一冊になったことでしょう。

思わず涙を流してしまうほどの、感情が揺さぶられるその瞬間を目の当たりにすることができて、なんだか同志を見つけたようで嬉しかったのです。

その日から10年以上が経ちましたが、今でも忘れられない光景です。

映画にもなりました。


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