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『幽霊たち』ポール・オースター著/とっても不思議なお話です。

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舞台は1947年のニューヨーク

私立探偵のブルーホワイトと名乗る依頼人からブラックという男を見張って、その行動を週一回の報告書にまとめるように依頼をされる。 その目的も期間も知らされないまま、ブルーはブラックを見張り続ける。

とっても不思議で奇妙なお話です。

一応ミステリーにジャンルわけされていることが多いのですが、事件が起こりません。 本当に何にも起こらないのです。

ただ、ブルーはブラックを見張り、それをホワイトに報告する。 その繰り返しの日々の中で、ブルーは見張っているつもりが実は自分が見張られているのではないかという疑問を抱き始めます。

私はこの作品の冒頭の一段落を読んだときの衝撃はきっと一生忘れない。 今までたくさん本を読んできましたが、これほど意味のわからない(笑)始まり方をする作品に出会ったことがなく、それゆえに何度も繰り返し読んでしまう一冊。

自分の視点が変われば世界はこんなにも違って見えてしまうのか。 世界が回転し、めまいのするような快感を感じました。 自分のアイデンティティーが揺らぎ、不安にもなるけれど、その揺らぎが快感なのです。

抽象的であいまいな世界を描いているように見えて、実は物事の本質をずばり衝くような鋭い一文がそこらじゅうにあふれていて、なんとも言えない不思議な魅力に満ちたお話です。

私は普段、海外作品はあまり読みません。 どうも翻訳の文章を読むのが苦手で気合を入れなくては読めないので。

でも、このポール・オースターだけは私が好きな海外の作家として名前を挙げることのできる数少ない人。

他にも『偶然の音楽』『リヴァイアサン』『ムーンパレス』など、とっても不思議で奇妙なお話を書いていて、そのどれも繰り返し読むほど大好きな作家さんです。

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