すきなものたち。

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すきなものたち。

好きなもの、好きなこと、日々の出来事について語っています。

『ハウンター』/アビゲイル・ブレスリン主演のループもの。あんまり怖くないホラー映画です。

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ハウンター(字幕版)

 

『リトル・ミス・サンシャイン』が大好きなので、アビゲイル・ブレスリンの出演作はつい手に取ってしまう。

 

『CUBE キューブ』を始めて観た時の衝撃もいまだ忘れられず、ヴィンチェンゾ・ナタリの名前にも大きく反応してしまった。(うーん、あれから20年も経ったのかい…。)

 

霧の中の家に家族ともに閉じ込められ、同じ一日を繰り返す少女の物語です。

 

絶賛オススメはしないけれど、100分と時間もコンパクトなので、ループものが好きでチェックせずにはいられない人。あんまり怖くなくずっしり重くないホラー映画を求めてる人にオススメです。

 

  

 『ハウンター』

 

基本情報

 

監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ

出演:アビゲイル・ブレスリン

製作:2013年/カナダ・フランス

 

『リトル・ミスサンシャイン』でミスコンに憧れるちょっと太めの少女オリーヴを演じ、アカデミー助演女優賞ノミネートされたアビゲイル・ブレスリン。

 ▼『リトル・ミス・サンシャイン』の感想はこっち。

あらすじ

 

ある朝、リサ(アビゲイル・ブレスリン)は、ふと自分が昨日と全く同じことをリピートしているという思いにとらわれる。トランシーバーから聞こえる弟のモーニングコールも、母が用意する食事の内容も、全てが昨日と同じことの繰り返しだった。彼女は、自分の16歳の誕生日の前の一日を何度も同じように過ごしていることを知り……。

映画『ハウンター』 - シネマトゥデイ

 

 

 

感想(ネタバレあり)

 

毎日が無限ループでエンドレス

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Haunter (2013) - Photo Gallery - IMDb

 

 両親と弟と4人暮らしのリサ。

 弟のモーニングコールで朝起こされ、母に家事に忙しく、父は自動車の修理をして、家族そろってご飯を食べて、夜は一緒にドラマを観る。
 
一見ありふれた家族の日常に見えるけれど、たった一人だけその日々が「異常である」ことに気付いてる。彼らは深い霧に包まれた家でリサの16歳の誕生日の前日をずーっと繰り返している。しかもリサだけがそれに気づいていた。
 
 
洗ってもそれを着る日は来ぬというのに毎日洗濯を頼まれ、身に覚えのないのに洗濯物が2枚消えてしまう。母親にそれを咎められてもリサは洗濯物の行方など知らない。弟はゲームに興じつつ、見えない友達エドガーと遊び、父親はひたすら車庫にこもり一日中自動車の修理をしている。
 
ご飯はパンケーキ、チーズマカロニ、ミートローフの無限ループで、毎日同じドラマを観なければならない。そんな異常な状況下でうんざりして苛立つリサを心配する両親、にさらにうんざりして苛立つリサ…。をさらに心配する両親…以下エンドレス。
 
しかし、どれほど飽きても何も変わらなかったリサの日常に少しずつ変化が起き始める。
 
リサを呼ぶかすかな声。
何者かの気配。
洗濯機の裏側の謎の小さな扉。(←おとぎ話みたいで好き)
タバコを吸わないはずの父がタバコを吸い始めたと思えば、突如乱暴なモラハラ男に変貌、霧の中に飛び出しても家から離れることはできない。
 
そして突然訪ねてきた謎めいたサングラスの男は 「これ以上何もするな。」と脅して男は去っていく。

 

リサは気づいてしまった。

男のサングラスに映った自分の姿。それは「死者」となった自分の姿。

 

「あぁ、自分たちは死んでいるのだ。」と。 

 

リサは脅しに屈することなく、謎を解くために独自に家の状況を調べ始める。

この無限ループから逃れるために。そしてリサには救わねばならない人がいた。

 

ループものにいくつかの要素をプラス。

 

最近食傷気味のループもの。
といいつつ、ついつい観てしまう大好きなループもの。
 
映画観るより本ばかり読んでいた時期から「ループもの」が好きだったようで、ケン・グリムウッドの『リプレイ』がとにかく大好きで、繰り返し何度も読んでいる。あと恒川光太郎の『秋の牢獄』、北村薫の時の人の三部作も好き。
 
映画だと『恋はデジャブ』『ミッション8ミニッツ』。『ラン・ローラ・ラン』や『バタフライ・エフェクト』もループものになるのかな。
 
またか、と思いつつもやっぱり気になってしまう「ループもの」
 
同じ時間が繰り返されるという設定は今ではありふれているので、そこにプラス新しい要素を付け加えてオリジナリティーを出し、そしてどこに着地させるか。オチの付け方が大事です。どんどん新たなバリエーションが出てきているので、考える方も大変だと思うのだけれども、それでも魅力的な設定だけに果敢に挑戦する人々が後を絶たないジャンルです。

 そしてついつい観てしまう私。

 

本作では「ループもの」という基本の設定に主人公が死者であるという設定が加わっている。(「お前はもう死んでいる」的なアレね。)

さらに時間軸が並行していると言う仕掛けが施されている。

 

リサの家の洗濯機やテレビ、弟が夢中になっているゲーム、リサの身に付けている洋服が古臭い等々。 見ていて感じた違和感の正体はコレが原因。

 

リサは1985年に死んで、それからずーっと同じ日を繰り返している。

だからいろんなものが古くてダサいのです。

 

現在の家にはオリヴィアという別の少女が家族と暮らしている。

リサが感じていた何者かの気配はオリヴィアのもの。

 

リサのびっくり顔がすごいけど、死んでるのはリサの方です。

画像1http://eiga.com/movie/79370/gallery/2/

 

二人が触れ合うシーンは優しい感じがして好きだな。

驚き怯えながらもお互いに相手にそっと触れることで、敵意がないことを確認し合う。

 

リサはオリヴィアを通じて、 現在の家の状況を知り、何が起こっているかを突き止めていく。

 

かつてこの家に住んでいた男は少女殺しを繰り返しており、死んでもなお家から離れない殺人鬼は、家に越してきた住人たちの父親の体を乗っ取って一家心中させ皆殺しにして、そのまま家に閉じ込めていたのです。

殺人鬼の次の狙いはオリヴィア一家…。 

 

リサが死者である、というネタバレがちょっと早くてもったいなかったかなぁという気はしました。死者であることが発覚してからの悪霊の妨害は、既視感ありまくりのごく普通の(あまりショッキングではない)ホラーな展開で、ちょっと退屈してしまった。

ホラー映画見慣れてるから、多少のことは驚かないのよ。

 

ただリサたちを殺した連続殺人鬼の正体が、弟が遊んでいた見えない友だち「エドガー」だった、という展開は好きかも~。

そんな重要な設定と思わず、さらっと流していたので、今まで弟の視線の先には誰もいなかったのに、気付いたら少年が座っている…。ここはリサとおなじように驚いてしまった。

 

あと、なくなっている洗濯物の謎、とか。散りばめられた断片が意味を持っていくところ、なかなか面白かった。自分自身が家族を死に至らしめてしまったことに気付くお父さんとか。ipadに驚くリサさん(再生できてよかった!)も好きなシーン。

 ウイジャ盤を使って死者が生者に対してコンタクトを試みる、っていうのも初めて観たかも。

 

で、霧の中の家にはリサだけではなく、別の家族も自分が死んだことを知らずにループする世界に閉じ込められており、彼らと協力して悪霊エドガーを倒す。バイバイ、エドガー。

 

面白いな~と思ったのは死んでるのに家族仲良く暮らしているというハッピーエンド。

霧は晴れ、これからはどこにでも行くことができる。

想いを遂げて成仏して消えるんじゃないんだな。

 

 アビゲイル・ブレスリンちゃんは骨格がしっかりしてるタイプらしく成長するにつれてちょっとゴツくなってるように思えるのですが、度重なる脅しにも屈しない意志の強さが光るリサさんはアビゲイルさんの持つ雰囲気にぴったりで似合っていたと思います。

 

 以上、『ハウンター』の感想でした。

 

 

 私の好きなループをテーマにした小説。

 

ループものをいくつか紹介。

『リプレイ』ケン・グリムウッド著

 

 絶賛オススメしたい名作SF小説です。

 

心臓発作で死んだと思った瞬間に、過去に戻って人生をやり直す男の物語。数えきれないほど人生を繰り返す中で、やがて彼は同じように人生をリプレイしている一人の女性を出会う…。

 

私が最初にハマッたループもの。古い小説で最初に読んだのは20年くらい前(!)ですが、1年に1回 は読み返すほどにはまりました。

 

繰り返しの人生の中で、主人公は見失っていた大切なことに気づき、人間として大きく変化していきます。ケネディ暗殺事件など、歴史上に実際起きた出来事も描かれているのが興味深い。リプレイしていない私たちには計り知れない”何か”があの事件の裏で起きていたのかもしれません…。

 

本当に心の底から絶賛オススメしたい一冊です!!

 

 

『Y』佐藤正午著

 

 

  こちらも20年近く前に出版された古い作品になりますが、 『バタフライ・エフェクト』がお好きな方にぜひ読んでほしい。

 

突然「親友」名乗る男から連絡があったが、まったく身に覚えがない。自称親友の謎の男から託された一枚のフロッピーディスク。そこには信じられないような男が辿った人生が記されていた。

 

フロッピーディスクっていうところに時代を感じますが。この作品が書かれた90年代はフロッピーの時代だったのです。

 

愛する女性を救うために、自分の身を犠牲にして時間をさかのぼる男の物語で、何度も読み返していますがそのたびに泣いてしまいます。

『バタフライ・エフェクト』を観た時に「『Y』だ!!」と思いました。

 

自分を犠牲にしてすべてを捨ててでも、誰かの幸せを願う強い想いに号泣必至です。