すきなものたち。

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すきなものたち。

好きなもの、好きなこと、日々の出来事について語っています。

『ある子供』/親になるということ。ダルデンヌ兄弟によるカンヌ映画祭パルムドール受賞作品。

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Huluにて鑑賞。

本日の映画はとーっても胸くそ悪くなる作品です。

 

ゴ━━━(#゚Д゚)=○)`Д)、;'.・━━━ルァ!!

 

ってなりました。

 

社会の底辺の貧困の中で起こる薬物汚染、育児放棄等の難しいテーマを取り上げて名作を作り出してきたベルギーのダルデンヌ兄弟による作品で、カンヌ映画祭でパルムドールを受賞しています。

 

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基本情報とあらすじ。

 

監督:ジャン・ピエール&リュック・タルデンヌ

出演:ジェレミー・レニエ/デボラ・フランソワ

製作:2005年/ベルギー・フランス

 

あらすじは…。

 

ブリュノとソニアの若いカップルに男の赤ちゃんが産まれ、二人は子供にジミーと名付けた。しかしブリュノはソニアに勧められた仕事には就かず、窃盗でわずかなお金を稼ぐだけ。あげくの果てに子供を勝手に売ってしまうのだった…。

 

というお話。

 

パルムドールを受賞しています。

カンヌ映画祭でパルムドールを受賞した作品なのですが、内容はかーなーり胸くそ悪いです。大人になりきれないまま、子供をもうけてしまった若いカップルの物語。

 

おそらくそのカップルたちも恵まれない家庭で育ったらしい。

社会の底辺でまともな教育を受けることなく、当たり前の価値化や常識を持ち合わせておらず、それでも親にはなれてしまう、という…。そして貧困が次の世代へ連鎖してゆく、というなんとも暗澹とした気分にさせられるカップルの日常をたんたんと描いています。たんたん、たんたんとしてるけど、やってることはとんでもないんです。

 

監督はタルデンヌ兄弟。深刻なお話ばかり作る兄弟。

 

彼らの作品は深刻な現実を容赦なく突きつけてくるようなものが多く、社会の底辺で取り残されてしまった人たちの救いようのなさ、手を差し伸べるにしても何をどうしたらいいのやら、、、という途方に暮れてしまうような作品が多いです。

 

それでも何とか踏ん張って生きようとする人々の力強さを感じたり、最後にかすかな希望が見えたりもするのですが…。

 

 本作ではとにかくブリュノのクズっぷりが想像を絶していて、「?!」という行動を連発。怒りでぷるぷるしてしまう展開が続きます\(*`∧´)/ ムッキー!!

 

覚悟してくださいね~!

 

このブログでも紹介したことがある『サンドラの週末』もタルデンヌ兄弟の作品です。

 

▼  マリオン・コティヤールがオスカーにノミネートされました。

『サンドラの週末』/過酷な週末を乗り切った先に…。マリオン・コティヤールがアカデミー賞にノミネートされた社会派ドラマ。

 

 

感想(ネタバレあり)

ブリュノのオシゴト

ソニアが産まれたばかりの赤ちゃんを連れて退院してくる日。

病院に一度も顔を見せることがなかったブリュノは部屋を勝手に友人に貸してしまい(ラブホ代わり)、赤ん坊を連れて一人で退院してきたソニアは閉め出されてしまう。

 

その最初の展開から驚きと呆れ、そして怒りがふつふつと。

父親なら、病院まで妻子を迎えに行きませんか?

部屋を勝手に貸して、本人は何やってるかと言えば、オシゴト

 

でも普通のお仕事じゃないですからね。

 

ブリュノにお仕事=子供の手下を使っての窃盗。

 

この手下の子供たちも貧困家庭で生まれ育ち庇護してくれるまともな親もなく、道徳心や罪悪感もなく「必要だから盗る」そんな感じ。

 

ソニアとブリュノがじゃれあっている姿はまるで子供のようで。

大人になりきれないまま、子供を作ってしまった二人を観ているこちらが途方に暮れそうになります。

それでもソニアは子供に愛情を抱いており、母親の自覚を持ちつつあるようです。やはり十ヶ月おなかの中で大事に赤ん坊を育て、命がけで産み落とす女性は親の自覚を持つのが早いのでしょうね。

 

先日『朝が来る』という本を読みました。

 


朝が来る【電子書籍】[ 辻村深月 ]

 

特別養子縁組をテーマにした作品で、不妊治療の末に養子をもらうことにした夫婦と中学生でありながら妊娠をしてしまった少女の心情を描いた作品なのですが、この本を読んでとても印象に残ったシーンがあって。

 

妊娠してしまった中学生の女の子がおなかにいる赤ちゃんに「ちびたん」って呼びかけるんです。もう養子に出すことも決まっていて育てることのできない子供に向かって優しく優しく話しかける。中学生の女の子でも、「母性」を持っている。

母性があることと、子供を養育できる自立した母親になるのは別のことですが、それでも「心」はすでに母なのです。『朝が来る』でもそうだったけど、父親はその自覚がまるでない。

 

ソニアとブリュノのカップルを観ていてこの小説を思い出しました。

 

自分の子どもをお金のために売り飛ばす。

 

ブリュノは子供が生まれても定職につかず、相変わらず、ケチな窃盗を繰り返し、挙句の果てには子供を売ってしまうという暴挙に出ます。

しかものっぴきならない事情があるなら同情の余地もあれど、ブリュノはただまっとうに働くのが嫌なだけ。

 

働きたきたくな~い。でもお金欲しい~。

ソニアが赤ん坊にかかりきり。赤ん坊がじゃま。

赤ん坊が売ればお金も入るし、またソニアと二人で楽しめる。

じゃあ、売るか!

 

は?!

 

絶対に許せませんヽ(#`Д´)ノ

無力で小さな子供を、しかも自分の血をわけた子供をお金のために売るなんて(#`皿´) ムキーーーー!

 

しかもブリュノの最低ぶりはこの後も続きます。ね?げんなりするでしょ?

 

子供が勝手に売られたことを知りショックで倒れてしまったソニアの様子に慌ててなんとか子供を取り戻そうとするブリュノ。

しかし、それは子供のためソニアのためではなく自己保身でしかない。

 

「子供を奪われた母親の気持ち」「売られた子供の気持ち」

 

ブリュノには人の気持ちを想像する能力が決定的に欠如している。

それをしたらどうなるか?先のことを想像する力もないんですよね。

 

子供と引き換えに代金を返そうとしながら、1ユーロこっそり手元に残そうとするセコさも許しがたいΣヾ( ̄0 ̄;ノ

 

無事に子供を取り戻しても、当然ながらソニアの怒りは止むことはなく…。

ブリュノは警察に聴取されることになりますが、反省のかけらすらなく卑劣な言い訳の連続。吐き気がするくらい最低のクズ男。

 

きーーーーーっヾ(*`Д´*)ノ"彡☆

 

ってなります。

 

お金が必要になったらやることはやはり子供の手下を使ったひったくり。

反省してまっとうになろうとするそぶりもない。

 

それでももしかして。

最後に取ったブリュノの行動は、彼なりの反省と変化の始まりなのかもしれないなぁというほのかな希望みたいなものは見えました。そう願いたい。

 

ブリュノは父親がおらず母親とも疎遠の様子だったので、おそらく彼自身も不幸な家庭環境で育ったのかもしれません。必要なものを与えられず、教えられず大人から放置されて育った子供はブリュノにようになってしまうのかもしれない。あの手下の子供たちもブリュノのようになるのかもしれない。

 

ソニアにも頼れる身内はいないようですし。これからも厳しい暮らしが続いてゆくでしょう。破たんした家庭で育った子供たちが成長し、また破たんした家庭を築いてゆく。連鎖してゆく貧困から、どうかジミーは抜け出してほしい。

 

あの可愛らしい赤ん坊には違う人生が拓けてゆきますように。

そう、願わずにはいられません。

 


ある子供 [DVD]

 

以上、ある子供の感想でした。

 

ダルデンヌ監督の作品は動画見放題サービスのHuluで複数の作品(本作品を含む)が配信されていますのでオススメ。(ラインナップは変更があります)

 

▼映画好きにオススメな動画サービス「Hulu(フールー)」

 

定額で映画や海外ドラマが見放題。気が向いたらすぐに観られて返却も不要。

5年くらい愛用しています。無料のお試し期間もあります。

 

 

 

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関連作品 のご紹介

社会の底辺に生まれ育ち、与えられるべきものを与えられない子供たち。タルデンヌ兄弟はそう言った子供たちにスポットを当てた作品をいくつか撮っています。 

 

『ロゼッタ』

 


ロゼッタ(字幕版)

トレーラーハウスで男に体を売りながら酒代を稼ぐ母親と暮らすロゼッタのお話。(こちらもパルムドールを獲得してます。)

 

 『少年と自転車』

 


少年と自転車 [DVD]

親に捨てられた少年のお話。

 

 両作品とも子供たちが生きる環境が過酷すぎて、放心状態に陥りそうな作品ですが、最後には光が少しだけ見えます。

 

 

監督は違いますが、子供を巡るげんなりさせられるお話といえばこういう作品も。

 

『光のほうへ』

 


DVD/洋画/光のほうへ/DABA-4115

貧困の中で親にネグレクトされている兄弟が、母親に代わって生まれたばかり弟の面倒を見ようと頑張るも悲劇が訪れる話。 

 

 『真夜中のゆりかご』


真夜中のゆりかご [ ニコライ・コスター=ワルドー ]

突然死で赤ん坊をなくした刑事が、ドラッグ中毒&ネグレクトの親の元から赤ん坊の誘拐して自分の子として育てようとするお話。

 

日本の作品だと『誰も知らない』なども。

 


誰も知らない [DVD]

これは実話を元にした作品。

 

これだけ悲惨な作品が数多く作られるということは、それだけ過酷な環境で生きる子供たちが多いということなんだろう。この世に生まれてきた子供たちには、この世界が優しいものであってほしい。そう願わずにはいられません。

 

☆こちらもどうぞ☆

 

▼ケン・ローチ監督によるパルムドール獲得作品。

『わたしは、ダニエル・ブレイク』/私は人間だ。犬ではない。名匠ケン・ローチが作り上げたカンヌ映画祭パルムドール受賞作。