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好きなもの、好きなこと、日々の出来事について語っています。

『ネオン・デーモン』/美しくも禍々しい悪夢を見た。【ネタバレあり】

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予告を観て、気になっていました。

 


エル・ファニング 映画 『ネオン・デーモン』 予告編

 

監督は『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフン。

 


ドライヴ [ ライアン・ゴズリング ]

 

 ネタバレありの感想はこちら。

sakuraho.hatenablog.com

 

 

オープニングで表示された「NWR」って何だ?と思えば監督の名前だったか。クセが強くて好き嫌いのはっきり分かれる監督さんらしいね。私は『ドライヴ』しか観ていないので、特に好き嫌いはないのですが。

 

絶対に結末は知らずに観た方がいいと思うので、未鑑賞の人はご注意ください。

 

 

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基本情報

 

監督:ニコラス・ウィンディング・レフン

出演:エル・ファニング/キアヌ・リーヴス/ジェナ・マローン

製作:2016年/フランス・アメリカ・デンマーク

 

あらすじ。

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ジョージアの田舎からモデルを夢見てLAに出てきたジェシー。

 

先月16歳になったばかりで、幼ささえ感じさせる素朴さを持ちつつも人を惹きつける美しさを持つジェシーは有名なモデル事務所の面接を受け、「必ず売れる」との高評価を得て契約。

モデルとしてとんとん拍子にスターの道を歩み始め、輝かしい未来が開けていくようだった…。

 

メイクアップのルビー、モデルのサラとジジ、カメラマン志望のディーンらとの交流と、徐々にジェシーがファッション業界に染められてゆく様子が描かれて行きます。

 

ヒロイン・ジェシーを演じるのはエル・ファニング。

ダコタ・ファニングの妹、という印象が強かったけれど、今ではダコタよりも活躍している気がする。

最近では『トランボ ハリウッドにもっとも嫌われた男』では主人公ダルトン・トランボの娘を演じていました。『マレフィセント』でのオーロラ姫も可愛かったなぁ。

 

sakuraho.hatenablog.com

 

 

 感想(ネタバレ)

 

エル・ファニング演じる素朴な女の子がファッション業界の闇に触れてブラックに変身してゆく物語かなぁとなんとなく想像していたのです。

 

『マルホランド・ドライブ』か、それとも『ブラック・スワン』かなと思いながら観ていたら、とんでもないところに着地した。

賛否両論も納得。これは生理的に受け付けない人も多いだろう。

 


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ネオンの灯りが溢れるオープニングから始まり、コントラストの強い色彩と光が強烈な印象を残す。特に赤と青、強く明滅する光にクラクラさせられ、頭まで痛くなった。(苦手な人は注意!)

 

赤い光が目立ち始めると「不穏な何か」が起こる。その赤い光の禍々しさは『サスペリア』を思い出した。

 


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ジェシーの危うさと美しさ

 

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ジェシーは美しい。そして危うい。

その美しさは彼女の類まれな「才能」だけれども、そこには身を滅ぼしかねない「危うさ」がある。彼女の母親もジェシーを「危ない子」と呼んでいたという。

 

煌びやかで華やかな世界に憧れる少女たちは大人たちの欲望に容赦なくさらされる。光が当たるその場所のすぐ脇には途方もない暗い闇がある。その欲望と闇へのジェシーの無防備さにはハラハラさせられた。

 

ジェシー曰く「わたし、ヤワじゃないから」。

そんな言葉が単なる強がりにしか聞こえないほど、ジェシーはふわふわ浮遊して今にも闇にさらわれてしまいそうに見えた。

 

16歳になったばかりの少女に「親の同意書」を偽装させ、19歳だと年齢を偽らせるモデル事務所。誰がどう見ても、19歳には見えぬと言うのに。「人は言われたことを信じるものよ」と。

 

親もおらず誰も頼る人がいないジェシーは、古い安モーテルに泊まっている。そこには他にも13歳の家出少女がいるのだという。

どうやら、モーテルのマネージャーは少女たちを性的欲望の対象として見ているらしいことがディーンとの会話からうっすら伝わってくる。実際に13歳の少女は彼の餌食になる。

行き場のない少女たちは安全な寝床さえ確保することが難しい。

 

ヤマネコが…。

 

しかも、このモーテル、ヤマネコ出るし。

なぜヤマネコ?と思ったのですが、あれをきっかけにモーテルのマネージャーに「賠償金」を要求されることになるので、彼女がこれから直面する様々な「恐ろしいこと」、隙があれば付け込んでくる人がいるという予兆みたいなものだったのかな。。(ほんとに?意味が分かる人がいたら教えてほしい。)

 

ここでもディーンは賠償金を立て替えてくれるなど、ジェシーに寄り添おうとするのだが、やがてジェシーはディーンを拒絶するようになってしまう。

自分の美しさが持つ「魔力」に気付いたジェシーは、ただのカメラマン志望の青年に興味をなくしてしまうのだ。

 

完璧な美しさ

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20歳を超えると仕事がなくなるというほどに「若さ」と「美しさ」を求められる世界。

女たちに過剰なほどに若さと美しさを求める男たちは若くも美しくもない。にもかかわらず、女たちに「美」を要求し続け、女たちが心身をすり減らしてしがみ付く「美」にあまつさえ序列をつけ、「整形」は人工的だと侮辱する。そしてジェシーこそが本当の美だと賛美する。

 

「美しい人」をただ見ているだけならば、うっとり見とれて「憧れる」だけで済むのに、その子が自分の美しさを自覚している時、そしてそれを口にしてしまう時「傲慢」だと感じ、不快感(時には怒り)を抱いてしまうのはなぜだろう?

 

美しい人が己の美しさに無自覚であるわけはないのに。

 

「私は美しい。」という言葉の中には「あなたは美しくない。」という意味が含まれているように感じるのは私の「僻み」なのかもしれないけれど。

 

あどけなささえ残る田舎の女の子が、自分より美しくない女たちに対し、「自分は美しい。」と口にする。それは美しくない女たちへの「侮蔑」が含まれているように感じてしまう。ルビーたちもそうだったのかもしれない。どれほど切望しても決して手に入れられないものを、最初から持っている人の無自覚な傲慢さと残酷さ。

 

「美」にしがみ付くように過激なダイエットや整形を繰り返すサラとジジにとっては、ジェシーの「人工的でもなく偽物でもない完璧な美」は存在するだけで憎しみを増幅させるのに十分だったに違いない。

 

だた「美しい」だけでは生き残ることはできない。

美は簡単に消費し尽くされ、人と食らってでも生きのびる「鬼」にならねば、「その場所」で生き続けることはできないのかもしれない。

 

文字通りジェシーを食らった女たちは、耐えきれず正気を失う者もいれば、さらにその狂気をも飲み込んでしまう者もいる。女たちの美への欲望は限りがない。

 

 エンドロールで荒野を歩く女性の後ろ姿が映し出されるのですが、それがとても印象的だった。彼女たちが歩く世界は、こんなふうに殺伐とした乾いた世界なのかも。

 

 賛否両論の結末。

 

まさか『クリーインフェルノ』や『ラビナス』的な映画だと思わなかった。

好きではない・・・・でも、まあ嫌いでもない。

 

幻想的な映像と相まって、残酷な童話みたいだなと思った。もう1回観たいかと言えば、それはない。もうおなかいっぱい。

ファッション業界に飛び込んでゆく少女の成長物語だと思って観に行った人がいたらきっと後悔しただろうね^^;

そんな人、いそう。

 

グロ描写はわりと平気な私ですが、ただ、ルビーの死体と×××のシーンはぎょっとさせられた。

ジェシーを食べた後も彼女は月に向かって恍惚とした表情を浮かべ、足の間からは液体が流れ出る。あれは別に漏らしたわけじゃなくて、快楽の絶好調真っただ中って感じなんだろうなぁ、、。うへえ…Σ(|||▽||| )ルビーさん、超ヘンタイ!

 

ジェシーを食らって美しさを増したサラは、そこにいるだけで有名なカメラマンの目に留まるように変化する。

ジェシーの美しさを飲み込んで、彼女はもう人でなくなってしまったのだ。永遠の美しさを手に入れるために、若い娘たちの生血を浴びたエリザベス・バートリのように。思えば洗面所でけがをしたジェシーの手にしゃぶりついたのもサラだった。もしかしたら、初めてではないのかも…。うへえ…Σ(|||▽||| )

 

自らに体内に入ったジェシーを必死に出そうと腹を切り裂いたジジに対し、サラは平然とジジが吐き出した「ジェシーの一部」を口に入れる。壮絶なまでの「美」への執着。たとえ人の道を外れても、進むを決めた道を歩き続けようとするサラの「業」の深さみたいなものは好きでした。

 

ちなみにこのサラを演じたのはアビー・リー。トップモデルで、『マッドマックス 怒りのデスロード』にザ・ダグを演じていました。

 

 

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その他気になったこと。

 

リヴへ

 

エンドロールで表示されるメッセージ。

リヴは監督の奥さんだって。

 

エル・ファニングの下着姿が見られます。

 

え?ぽろり??と期待したのですがそれはなし。残念ポイントでもありました。つけてる下着がセクシーな雰囲気じゃなくて、素朴なヤツだったのもジェシーらしい。

 

キアヌ・リーヴスはなんだったんだ?

 

この映画を見ようと思ったきっかけのひとつ。

それはキアヌ・リーヴスが出演していること。

ジェシーが宿泊しているモーテルのマネージャー役で、登場した瞬間から不愉快な人なのですが、そこはキアヌなので何かしら重要な意味合いを持つキャラクターに違いないと思ったのですが、そうでもなかった^^;

 

ジェナ・マローンは子役から活躍してる女優さんです。

 

『ハンガーゲーム』が有名だけど、『プライドと偏見』でウィッカムさんと駆け落ちしちゃう子だよね。『グッドナイト・ムーン』ではスーザン・サランドンの子ども役。コンタクト』ではジョディ・フォスターの子供時代も演じてた。1984年生まれだけど芸歴は20年以上です。

 


グッドナイト・ムーン [ エド・ハリス ]

 

以上、『ネオン・デーモン』の感想でした。

 

こちらも現在劇場公開中です。

 

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