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『妖婆の家』/大女優ベティ・デイビスが怖い。

乳母が、何か企んでいそうです…。

ベディ・デイビスの主演作の中ではマイナーな作品だと思いますが、ベティの演技は必見の価値あります!とにかく不気味!怖い!

邦題はイマイチだけれども…(時代を感じますね^^;)

『妖婆の家』

監督・出演・製作 基本情報

監督:セス・ホルト
出演:ベティ・デイビス/パメラ・フランクリン
製作:1966年/アメリカ

あらすじ

舞台はイギリスのとある上流階級の家。

精神障害児として、2年間施設で過ごした息子ジョーイが家に戻ってくる日。

ジョーイの母親は息子が戻ってくる現実を受け入れることができず、泣いてばかりいた。

結局母親ははジョーイを迎えに行くことができず、代わりにばあや(=乳母)がジョーイを迎えに行くことになるのだが、ジョーイはそのばあやに異常なまでに反抗的な態度をとるのだった。

感想(ネタバレあり)

ベディ・デイビス目当てに鑑賞しました。

何か企んでいそうな、怪しげな乳母を演じるのが『イヴの総て』『ジェーンに何が起こったか』で知られる、ベティ・デイビス。

AFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)が選出した「最も偉大な女優50選」でキャサリン・ヘップバーンに次いで2位。尊敬の想いをこめて「フィルムのファースト・レディ」と呼ばれました。

生涯でアカデミー賞に10回ノミネートされましたが、うち1938年から1942年までは5年連続という考えられないような記録が残っています。

大好きな女優さんです。特に『ジェーンに何が起こったか』はお気に入りで、ベティの怪演は瞳孔が開きっぱなし。すごすぎて魂を抜かれてしまいます…。コワすぎなんです。

(参考>>女性が怖い映画。絶対に敵に回したくない怖い女が登場するおすすめ映画

ばあやが怖い。

異様なまでに、ばあやに反抗的な態度を取るジョーイ。

どうしてジョーイは、ひどく”ばあや”を嫌うのか…。

当初は観客には事情がわからないので、生意気で可愛げのないジョーイにいらだちすら覚えるほどでした。

しかし、その反面、不快極まりないジョーイの態度に眉をひそめることもせず、どこまでも優しく丁寧に接するばあやの態度に、なんとなくぞっとするような不気味さを覚えることも確かです。

むきだしの嫌悪をぶつけられても、一切感情が揺れないのは、そもそもジョーイの感情に興味関心がないということ。意志ある人間として、尊重していないということ、ではないでしょうか。

物語が進むにつれて、徐々にいくつかの事実がわかってきます。

  • ジョーイにはどうやら妹がいたらしいこと。
  • 幼い妹は死んでしまい、その死にジョーイが関係しているらしいこと。
  • 妹の死が理由で、ジョーイは施設に入っていたらしいこと。

しかし、大人たちが信じている事実の奥には、まったく異なる真相が隠されており、その真相こそがジョーイのばあやへの反抗の理由なのでした…。

ストーリーはシンプルですが、ベティ・デイビスの存在感が強烈に際立っています。

まさに「怪演」という言葉がぴったり。

不気味な雰囲気を漂わせる”ばあや”の、じっとりとした目つきが脳裏から離れなくなり、心が大いにざわめきます。

ジョーイがどれほど反抗的な態度を取っても、寛大で親切で優しい顔をして、ジョーイにまとわりつく…。気持ちの悪いばあや。

深夜にドアの外で、ジョーイの様子を静かに伺っているシーンは背筋がうすら寒くなりました。

ジョーイの母親は幼い頃からそばにいた”ばあや”に絶対的な信頼を寄せており、大人たちは誰もジョーイを信じない。

観ている側も、ジョーイが嘘を言っているのではないか?と思いそうになるほど、ジョーイには可愛げがないんです。反抗的で憎たらしい子供の悪ふざけが過ぎているようにしか、見えません。しかし、まだ10歳の幼い子供にとっては、あんな風に反抗的な態度を取ることこそが戦いだったのしょう。

大好きなママにも信じてもらえず、一人で戦うしかなかったジョーイ。彼の気持ちを思うと胸が痛くなります。

ばあやとおばさん(ジョーイの母の姉&心臓が弱い)の対決シーンもみどころ。

とにかくばあやが怖すぎ(((( ;゚д゚)))

出典:IMDB

ほとんどのシーンが部屋の中ということもあり、全体的に映像が暗く、モノクロの引き締まった雰囲気が緊迫感を増幅させていたように感じました。暗闇に浮かび上がる、無表情なばあやの顔から目が離せません。

ジョーイと階上に住む14歳の少女とのやりとりが、ちょっとした癒しです。

▽『妖婆の家』は、こちらの記事でピックアップしています。

>>>女性が怖い映画。絶対に敵に回したくない怖い女が登場するおすすめ映画

邦題はいかがなものか…。

それにしても邦題の「妖婆」という言葉、どうなの?って思う。「悪いのは”ばあや”です。」って、断言しているのと同じじゃないの^^;

原題は『THE NANNY』、そのまんま「乳母」という意味です。

以上、『妖婆の家』の感想でした。

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