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『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』/デンマーク王室を舞台にした歴史ドラマ。マッツ・ミケルセン&アリシア・ヴィキャンデル共演。

本日の映画は『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の迷宮』です。

『偽りなき者』『アフター・ウェディング』のマッツ・ミケルセン主演で、デンマーク王室の歴史を描いた歴史ドラマです。

マッツ・ミケルセンが素敵すぎます(*´Д`*)

あふー。鼻息がね、荒くなってしまう。優しい笑顔にクラクラしつつ、酷薄なまなざしに射抜かれつつ…。マッツ目当てに観たのですが、目的は十分すぎるほど果たせたというか、マッツでおなかいっぱい。ありがとう!(←何が?)

ただ、サブタイトルがチープなのが残念です…。不倫ドラマに重きを置いたタイトルになってますが、それだけじゃないのですよ。不倫も重要な要素の1つではありますが、重厚な歴史ドラマなので、邦題に屈することなく多くの人に観て欲しい。

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『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』

基本情報

監督:ニコライ・アーセル
出演・マッツ・ミケルセン/アリシア・ヴィキャンデル/ミケル・ボー・フォルスゴー
製作:2012年/デンマーク

第85回アカデミー賞外国語映画賞のデンマーク代表です。

第62回ベルリン映画祭で銀熊賞を2つ獲得(脚本賞と男優賞/ミケル・ボー・フォルスゴー)。

製作総指揮にラース・フォン・トリアーが名前を連ねているのでぎょっとしましたが(←失礼)、大丈夫でした。トリアーさんの映画を観ると打ちひしがれてこの世から消えたくなるほど落ち込むので、観ないことにしているのです。本作もハッピーな物語ではないですけれどもね^^

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あらすじ

18世紀後半の宮廷を舞台に繰り広げられる、王と王妃、侍医の三角関係を描いたラブストーリー。精神を病んだデンマーク国王クリスチャン7世の侍医となったストルーエンセは、王の唯一の理解者となり、友人として親交を深めていく。一方、孤独な王妃カロリーネもストルーエンセに心ひかれ、2人は恋仲になる。ストルーエンセはやがて王の言動を操り、事実上の摂政として政治改革を進めていくが、それを快く思わない貴族たちが密かに政変を起こそうと画策していた。ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 : 作品情報 – 映画.com

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感想(ネタバレあり)

マッツ・ミケルセン目当てで観ましたが、もう素敵すぎて(*´ェ`*)ポッ

マッツはデンマーク王妃と関係を持ってしまう国王の侍医ストルーエンセの役なのですが、脳内ではすっかり私=王妃に変換されておりました。

二人の関係は不倫だし、王妃と王室に仕える者…という決して許されない恋ではあるけれども、この状況では好きになってしまっても仕方ない!って思いました(*`д´)b OK!

二人が見つめ合った瞬間に恋に落ちるシーン、私も一緒に恋に落ちそうになりました。(っていうか落ちました!毎回のように様々な相手と妄想で恋に落ちている気がしますが!)

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日本人には馴染みがありませんが、ストルーエンセと王と王妃の物語はデンマークでは有名はお話らしいです。

舞台は18世紀のデンマーク。

1766年、英国王室からデンマーク国王クリスチャン7世のもとに嫁いだカロリーネ(イギリス国王の孫)。

まだわずか15歳の少女だったカロリーネは、自分の夫となる人物をきっと素適な人に違いないと信じて、幸せな結婚を夢見ていたのです。しかし、夫であるデンマーク国王のクリスチャンは精神を病んでおり、奇行を繰り返し、カロリーネに辛くあたる。

特に初夜のアレはきつい…15歳ですよ?( ̄□||||!!

遠い異国の地。祖国から持ってきた大切な本の一部は検閲で送り返されてしまうなど、文化風習の違いに戸惑うことも多いなか、カロリーネに対する夫クリスチャンの度重なる暴言や侮辱、嫌がらせ…。

そばに仕えていた信頼できる人物ともクリスチャンの意地悪で引き離されてしまい、王に対して憎しみさえ抱きながら耐え続け、王妃としての義務を果たし、カロリーネは男の子を出産。

あの状況だと夫に触れられるのも辛いと思いますよ…。

政略結婚の目的も果たしたカロリーネは夫を完全に拒否。夫婦関係は冷え切ってしまいます。政略結婚の常とは言え、カロリーネがあまりに気の毒。あまりに不幸すぎる。彼女はまだ10代の少女、現代で言えば高校生。時代が違うとはいえ、年頃の少女の楽しみのひとかけらさえもないのです…。

カロリーネを演じているのは、アリシア・ヴィキャンデル

『リリーのすべて』でアカデミー助演女優賞しました。
本作では孤独だけれども、誇り高く、知性と優しさを持った女性を演じていました。

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カロリーネとクリスチャンの夫婦関係が冷え切っていた頃、国王の侍医としてストルーエンセという男がカロリーネの前に現れます。演じるのはマッツ!

ストルーエンセは素性を隠しているけれども匿名で本も出版している啓蒙主義者。国王の信頼を手に入れ、徐々に宮廷で力を手に入れてゆくストルーエンセと、カロリーネは恋に落ち、お互いへの想いをこらえきれず、結ばれることにになります。

カロリーネにとっては、初めての恋。
そして初めて知る女性としての幸せや喜びを味わいます。

許されない関係ですが、カロリーネの状況を考えると、こうなってしまうのは必然だったか、とも思います。ひたすら苦難と孤独に耐えていた彼女が、いきいきと以前の明るさと取り戻す様子はほっとさせられる。

…でも、カロリーネとストルーエンセの関係が破たんすることは、もうわかっている。

物語の冒頭で彼女はデンマークを追放され病に侵され死が迫る状況で、離れ離れになった子供たちへ手紙を書きつづっていました。この映画は死期の迫ったカロリーネの手紙、という形で描かれているのです。
それでも、どうかこの幸せが少しでも続いてほしいと願わずにはいられませんでした。

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ストルーエンセの影響を受け、クリスチャンも変わっていく。それまでは政治の実権は枢密院に握られ傀儡として書類への署名をするだけの存在でした。

しかし自ら法案を提案、実行するようになり、国民に尽くすための法案や制度と作っていく。元々は知性と教養を持った人だったので王としての風格さえ備え始めていたように見えました。実際にクリスチャンは国民の人気は高かったらしいです。

精神状態の落ち着いたクリスチャンとカロリーネの関係も以前ほど険悪なものではなくなっています。

カロリーネが作品中で語ったように一時期は本当にすべてが上手く行っていたし、皆が幸せだったのです。

しかしその幸せは続かない。
宮廷で力を発揮できるようになったストルーエンセはクリスチャンをかつての枢密院が彼にしたのと同じように、ないがしろに…。

いったいなぜ…?

信頼していたストルーエンセに裏切られ傷ついたクリスチャンの表情が悲しすぎた。もしも、は歴史にはありませんが、でもあえて言うならば、ストルーエンセが王をないがしろにしなければ…もしかしたらこの先の悲劇は避けられたのかもしれません。

束の間の安定は崩れていく。カロリーネは妊娠。ストルーエンセの子を産むわけにいかないカロリーネは王の子として出産する。

王を傀儡(くぐつ)として操り政治の実権を握りたい皇太后ユリアーネや官僚グルベアら政敵は二人の関係に気づき、ストルーエンセを攻撃しはじめ、クリスチャンはかつてのように情緒不安定に陥ってしまう。

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国政は混乱しストルーエンセは逮捕され、拷問にかけられ、斬首。

カロリーネは国外追放…。子供たちとも引き離され、自由を奪われ、病で23歳の若さで亡くなったそうです。マリー・アントワネットとほぼ同時期の人です。

決して明るくはない作品ですが、ラストに語られた後日談に心が救われる思いでした。

カロリーネからの手紙を受け取った彼女の子ども、皇太子フレドリックはクーデターを起こし、皇太后とグルベアを追放し、即位します。フレドリック6世のはストルーエンセの目指した政治を引き継ぎ、名君として国を治めました。

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まとめ

マッツ・ミケルセンの凛々しいコスチューム姿が垂涎モノですが、ストルーエンセだけでなくカロリーネ、クリスチャン、3人共の演技が素晴らしかったです。

特にクリスチャンは複雑な感情を持った人物でしたが、ミケル・ボー・フォルスゴーの演技が見事で銀熊賞獲得も納得の演技でした。

とても好きなシーンがあります。クリスチャンとストルーエンセの出会いのシーン。

シェイクスピアを暗喩するくだり。クリスチャンの本来持っている知性が伺えました。周囲に言われるままにストルーエンセの逮捕状に署名したものの、のちに恩赦を決定したのもクリスチャン。

結局、恩赦がなされずにストルーエンセが処刑されてしまいますが、それを知らず、再会を心待ちにしている様子も辛かったですね。

デンマーク王室には馴染みがなく前知識もありませんでしたが、お気に入りの一本となりました。

目から血を流したり(※『カジノ・ロワイヤル』)、人を食べたり(※『ハンニバル』)しない普通のマッツ・ミケルセンを堪能。

▽そのほかの王室を舞台にした歴史映画はこちら。

王室を舞台にしたおすすめ映画。豪華なコスチューム、インテリアが魅力的。イギリス、フランス、デンマークなど。

以上、『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』の感想でした。

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