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好きなもの、好きなこと、日々の出来事について語っています。

『ラ・ラ・ランド』/かつて見た美しい夢。アカデミー賞史上最多タイ14ノミネート!6部門受賞!

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第89回アカデミー賞最多タイの13部門14ノミネート!

いよいよ発表がすぐそこに迫ってきて、いったい何部門獲得するのか興味津々の『ラ・ラ・ランド』がさる2月24日に日本でも公開になりました。

 

追記:

2/27にアカデミー賞の発表があり、14ノミネートのうち6部門でオスカーを獲得しました。エマ・ストーンが主演女優賞、デミアン・チャゼルは史上昨年賞での監督賞の受賞となりました。

 

作品賞の発表に際してはトラブルもありました。

 

「受賞した!」と喜んだあとで、別の作品が受賞していたことが発覚。ショックだっただろうにスマートな対応を見せた『ラ・ラ・ランド』チームの様子が印象的でした。

『ラ・ラ・ランド』を破り、作品賞を受賞したのは『ムーン・ライト』でした。

 

▼『ムーンライト』の感想記事です。

 

『ムーンライト』/月光に包まれた美しい夜。第89回アカデミー作品賞受賞作品。 

 

予告はこちら。予告だけで十分にわくわくさせられる。


「ラ・ラ・ランド」本予告

 

初日には行けなかったので、公開二日目に。

どの回も満員御礼という感じでかなりお客さんが入ってました。オスカー以降はもっと増えそうな…(;^_^A

 

様々な賞レースを席巻しているのも納得の素晴らしい作品でした。

美しくてかわいらしくてまばゆく輝いていて。

楽しくて心が躍るようでうっとりして切なくて、そして号泣…。

 

こうやって感想を書こうとパソコンに向かうと思い出して涙が出てきてしまうので、観てきた当日には感想が書けませんでした(苦笑)

 

それでは いつものようにネタバレしつつ感想を語ります。

 

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ラ・ラ・ランド

 

基本情報

 

監督:デミアン・チャゼル

出演:ライアン・ゴズリング/エマ・ストーン

製作:2016年/アメリカ

 

監督は第87回アカデミー賞5部門ノミネート、うち3部門受賞した『セッション』のデミアン・チャゼル。 

『セッション』と合わせて本作を観ると、監督の溢れるジャズ愛が感じられて面白いかも。『セッション』で狂気に満ちた鬼教師を演じたJ・K・シモンズも出演しています。

 


セッション コレクターズ・エディション [ マイルズ・テラー ]

 

『ドライヴ』で愛する女のためなら命がけで危ない橋を渡るクールなドライバーを演じたライアン・ゴズリングとバードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー賞にノミネートされたエマ・ストーンがロサンゼルスで夢を追い、恋に落ちるふたりを演じています。

 

二人は『ラブ・アゲイン』という作品でも共演経験があり。

 

 

▼『ドライヴ』 /無口で無表情、でも内側は熱い男です。

『ドライヴ』/それが俺の性(さが)だから。【ネタバレあり】 

 

▼『ラブ・アゲイン』(邦題がダサいですが、オススメの作品です。)

『ラブ・アゲイン』/本当に大切な人を幸せにするために

 

あらすじ

 

「セッション」で一躍注目を集めたデイミアン・チャゼル監督が、ライアン・ゴズリング&エマ・ストーン主演で描いたミュージカル映画。売れない女優とジャズピアニストの恋を、往年の名作ミュージカル映画を彷彿させるゴージャスでロマンチックな歌とダンスで描く。オーディションに落ちて意気消沈していた女優志望のミアは、ピアノの音色に誘われて入ったジャズバーで、ピアニストのセバスチャンと最悪な出会いをする。そして後日、ミアは、あるパーティ会場のプールサイドで不機嫌そうに80年代ポップスを演奏するセバスチャンと再会。初めての会話でぶつかりあう2人だったが、互いの才能と夢に惹かれ合ううちに恋に落ちていく。

引用:ラ・ラ・ランド : 作品情報 - 映画.com

 

感想(ネタバレあり)

 

オープニングでわしづかみ。

 

最初に言っておくと私はミュージカル映画全般がニガテ。

ごく一部の作品を除いてはいきなり人が歌って踊り出すという展開にいたたまれない気持ちになってしまい、見続けることができない。なので『ラ・ラ・ランド』もダメかもしれないな~と覚悟して観に行った。

 

が。

 

大丈夫だった(≧∇≦)b OK

 

ロサンゼルスの高速道路でのオープニングシーンで私のハートをむんずとわしづかみ。

 

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引用:http://www.imdb.com/title/tt3783958/mediaviewer/rm2263825664

 

渋滞中のロサンゼルスの高速道路。

それぞれ車の中で音楽に耳を傾ける男女が、一人の女性が歌い始めたのを呼び水にして、一斉に車から降りてきて歌い、舞い踊る。

 

渋滞の車列がずーっと続く中、背後にかすむ高速ビル群と青く澄んだ空をバックに車の上でぽーんとジャンプする人々。

ウキウキしてすっかり楽しくなってしまった。

 

このオープニングのミュージカルパート実は3ショットらしいのですが、つなぎ目がまったくわからないので、観ている側にはワンショットの長回しとしか思えない映像になっております。

 

車がえんえんと列をなすなかで、車のあいだを縫うように踊り舞う人々の動きを追いながら、つぎつぎと視点(カメラ)が移動していく。躍動感と生命力に満ち溢れた見事なシーン。すっかり心をわしづかみにされ、このシーン観られただけで観に来た価値は十分でした。

 

タイトルの『ラ・ラ・ランド』の意味とは…。

 

ロサンゼルス、主にハリウッド地域の愛称。

また陶酔し、ハイになる状態。(パンフレットより引用)

 

夢を追って人々が集まってくるロサンゼルス。

踊り舞っている名もなきこの人たちもまた「夢追い人」なのだ。しかし「夢」は必ず叶うというものではないだけに、楽しいシーンであるけれど同時にかすかな胸の痛みを感じた。いったい彼らの中で、何人がこの町で夢を叶えるのだろう?

 

そしてこの高速道路の渋滞でミアとセバスチャンは初めて出会う。

ほんの少しの、しかし悪印象しか残さない出会いだった(苦笑)

 

ミアは女優のたまご。セバスチャンはいつか自分の店と持ちたいと夢見ているジャズ・ピアニスト。この後二人は、何度も偶然出会うことになる。

 

最悪な出会いをした二人が恋に落ちる、そのラブストーリーの王道的な展開もにやにやさせられました。

 

数多くの作品に捧げられたオマージュ

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http://eiga.com/movie/82024/

 

監督のデミアン・チャゼルは『ラ・ラ・ランド』にたくさんの作品へのオマージュを盛り込んだのだとか。

ミアが女友達とカラフルなダンスを着て踊るこのシーンも『スイート・チャリティー』(1968)という作品へのオマージュと言われているそう。

 

セバスチャンが電柱につかまりながらぐるっと回るシーンはまさに『雨に唄えば』だし、パリで白いドレスと言えばオードリー・ヘップバーンの『パリの恋人』、壁色やごみ箱、ドレスの色まで計算されつくした絵画のような美しい映像は『シェルブールの雨傘』を思い出したかなぁ。 

 

ミュージカル好きな人ならきっともっといろいろ「あ!」と思うシーンがあったんだろうね。

 

オマージュ作品との比較の動画を見つけました。

 


La La Land - Movie References

 

比べてみると、なるほど!というシーンが数多くありますね。 

 

▼ 気になったのでまとめてみました。

 

セクシーなドレスに身を包み、華やかなパーティに女友達とわいわいと出かけても、一人になると浮かない表情のミア。女友達はパーティーよいご縁を求めて繰り出しているようだけれど、ミアはそういうものには価値を見いだせないでいる。

 

一方のセバスチャンはジャズを愛するあまりこだわりが強く、それゆえに職を失ってしまうなどままならない日々を送っている。

 

3度目の正直

 

最悪の出会いを2度も経験して、ついに3度目の出会い。偶然もここまで来ると運命ですな。お互いにいい印象を持っておらず、ミアはセバスチャンに嫌味な態度と言動を繰り返すが、お互いの夢について語るうちに徐々に打ち解けていく。

 

 たそがれどきの、マジックアワーとロスの夜景をバックに二人が繰り広げるミュージカル・パート。唄って踊るうちにツンツンしてた二人がちょっとずつ親密に変わっていくのがすごい楽しい(*^-^)ニコ

 

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http://eiga.com/movie/82024/

 

同じように夢を追う二人は、互いの夢への熱い想いに共感するものがあったに違いない。恋に落ちた二人は『グリフィス天文台』で初めてのキスを交わす。

 

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 引用:http://eiga.com/movie/82024/

 

 二人のラブラブなパートは心から幸せな気持ちになったよ~。

場面が変わるたびに二人の衣装が変わり、場所が変わり、来る日も来る日もともに過ごし幸せそうな二人の日々が描かれます。

 

壁の色、ミアのドレスの色、ごみ箱などの小物。ちょっとしたシーンであっても、色彩のバランスと調和がひじょうに美しく、すべてのシーンが計算しつくされたアートだった。

 

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引用: La La Land (2016) - IMDb

 

幸せな日々は…。

 

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引用:La La Land (2016)

 

幸せな日々がずっと続いていくかに思えたが、そうはならないのが人生のままならないところ。

セバスチャンは友人の誘いでバンドに加入しツアーで留守がちに。二人はすれ違いを始めるけれど、セバスチャンはサプライズでミアのためにディナーを作ったり、彼なりに努力をしているように見えた。

 

しかし、意に沿わないバンドに加入し意に沿わない音楽を演奏を続けているセバスチャンをミアはなじるようなことを言ってしまう。

 

ミアの気持ちもわかる。

彼女は一途に夢を追っていたセバスチャンを愛した。だから変わってほしくないと願う気持ち。

 

それに自分自身が夢を追っているときは、つい他人にも同じことを求めがち。夢は絶対に叶うって、信じ続けなきゃ夢なんて追ってはいられない。夢を諦めることを肯定はしづらい。

 

でも、私はミアに言いたかった。

 セバスチャンがバンドに入ったのは「ミアとの未来のため」だよって。

 

おそらく、ミアがいなければ、一人ならばセバスチャンは夢を追い続けたかもしれない。けれど、きれいごと抜きにして夢だけでは生活していけないのが現実。

 

どこかで夢と現実に折り合いをつけていかなくてはならない。それがセバスチャンにとっては「今」だった、ということなのだと思うけれど。

 

セバスチャンがミアのために作った料理は口論のうちに焦げてしまい、部屋には火災警報が鳴り響いて二人の時間を邪魔をする。

 

いい雰囲気になりそうになった時にかかってくた彼氏からの電話、焼けたフィルム。いつも「何か」に邪魔をされてしまう二人の関係を象徴しているように思えた。

 

喧嘩のあと。

カメラマンにあれこれリクエストされて、リクエスト通りにおかしな表情を作ってみせるセバスチャン。もしかして怒って出ていってしまうのかと思ったら、彼はそうはしなかった。

 

あぁ。

生きることはどこかで自分自身の何かを切り離して行くことなんだよなぁって。

やりたいことばかりをして生きていくことはできないから、本意でないことでもそれを飲み込んでやるしかない時があって。

それが時に心をすり減らすことにもなるんだけど、徐々に「当たり前」になって慣れていく。

 

若い頃は「そんな大人になりたくない!」って思ったりするけど、生きていくってそういう大人になっていくことなんだよなぁ。

 

と思ったら、このセバスチャンとカメラマンのくだりが笑えるんだけど、同時にものすごく切なく感じた。

それは私自身がかつて切り離した「何か」に想いを馳せずにはいられなかったからだ。

 

自分が「何か」を切り離してしまったからこそ、セバスチャンはミアには夢を追い続けて欲しかったのだろう。目の前に現れたチャンスに手を伸ばしてほしかった。

苦い挫折を経験し、夢を諦め実家に戻ってしまったミアをセバスチャンは迎えに行く。

 

もしかしたらあったかもしれない未来

 

叶わなかった恋も人生に美しい彩をもたらす。

 

この世には成就して一生添い遂げる恋よりも、そうはならない恋の方が圧倒的に多いのだ。そして夢と恋、2つともに手に入れることはこれ以上になく困難だ。

 
二人は別々の道を行き、5年後に偶然再会する。
 
女優として成功し、結婚し子供にも恵まれたミアがたまたま訪れたジャズ・バー。そのジャズ・バーの名前はかつてセバスチャンに「付けたら。」とミアが提案した名前。
そしてそこには出会った時と同じ曲を弾くセバスチャンがいた。
 
 
クライマックスの約7分間のミュージカル・パートで私の涙腺が大崩壊を起こしました。
 
もしも、あの時…。そう考えることは誰にでもあるはず。
 
たとえ現在が幸せであったとしても。真剣に生き、悩んだ末に選択した現在であっても。一生懸命だったからこそ、もしもあの時別の決断をしていれば…って。
 
クライマックスの7分間のミュージカルパートはかつて二人が見た美しい夢のゆくえ。

 もしかしたらあったかもしれない未来。

 

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引用:La La Land (2016) - IMDb

 

 最後に二人が見つめ合い、笑みを交わす。

 

かつて見た夢を二人一緒に叶えることはできなかったけれど、二人は別々の道を行き、その先で夢を叶えた。

恋は終わり、別々の道を行ってもお互いにとっては特別な人であり続ける。この先ずっと。

 

エンドロール始まってもずっと涙が出ていたのですが、そのまま余韻に浸りたかったのに、隣のおじさんに話しかけられました…。

一人で余韻を大事にしたいから一人映画派なんですよ、私は…(怒)

 

なんとなくこのクライマックスのミュージカルパートで『マルホランド・ドライブ』思い出した。主人公が女優を夢見てるというところしか同じじゃないんだけど、この最後の美しい「夢」がどことなく似てる気がした。

 

と思ったら、同じようなことを考えてる人がいて、嬉しかった(*^-^)ニコ

 

 

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まとめ、気になったことなど。

 

あまりに素敵な作品だったので、珍しくパンフレットを買ってしまった(笑)

日頃めったに買わないのね。キリがないから。音楽も素敵だったのでサントラも欲しくなった。DVDが出たら絶対に買って何度も観てると思うし、 たぶんもう1回劇場に足を運ぶと思います。

 

 

 

ミュージカル・パートが前半に集中しており、中盤から終盤にかけてはごく普通のセリフでの展開が目立った。そこは少々寂しかったかなぁ。序盤に畳み掛けるように次々に展開された歌って踊るシーンが、どれもあまりに見事だったので。もっと観たかった気はした。でも大満足の1作でした!!

 

劇中の歌手は誰?

 

セバスチャンをバンドに誘ったキース。劇中で歌う歌声がずいぶんきれいだな~と思ったら、グラミー賞常連の歌手で、第87回アカデミー賞では『グローリー 明日への行進』で主題歌賞を受賞したすごい人らしい。

 

ジョン・レジェンドという人。

 

 

 以上、『ラ・ラ・ランド』の感想でした。

 

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